停留所・標柱の説明

  • 標柱はバスを乗り降りする位置を示すポール(ポール以外の塀や壁にバス乗り場であることを示すバス停名や時刻表を貼ったものを含みます)のことです。
  • 停留所は同名の標柱(上り、下り、1番乗り場、2番乗り場など)をまとめたものです。標柱と停留所は対応関係(親子関係)にあるため、停留所を「親停留所」と呼ぶことがあります。
  • 標柱データは、乗換案内でバスの乗降場所を正確に示し、出発地・目的地からバス停までの徒歩ルートを正確に表示するために用いられます。GTFSデータでは標柱ごとに座標データを作成することを原則とします。また、道路の片側にしかポールがなくても両方向のバスが止まり、一方向のバスはポールからみて道路の反対側で乗降する場合には、道路の反対側にもポールがあるものとして、標柱データを作成することを推奨します。
  • 停留所データは、多数の標柱を地図上や検索結果で表示すると煩雑になる場合に簡潔にバス停の情報を示し、分かりやすい表示にするために用いられます。また、バスデータの分析などでバス停ごとの集計や表示を行う場合に用いられます。
  • ただし、現時点(2022年7月)で、Google乗換案内のGTFS品質審査において、親停留所データを設定する条件が限定されている(建物があるバスターミナルに限る)ため、親停留所をGTFSデータに含めないことが多くなっています。
  • なお、親停留所の設定条件について新しい仕様(建物がないバスターミナルや路上の標柱をまとめた場合を含む)が検討されており、今後、親停留所を設定することが推奨されるようになる可能性があります。GTFSデータを作成するシステムを開発する際には、親停留所を設定する機能を含めておくことを推奨します。

stop_id(停留所・標柱ID)【必須】

  • バス事業者、市町村において標柱を内部的に管理しているIDがあるときは、そのIDをstop_idとします。
  • 改めて標柱にIDを付ける場合には、1_1、1_2のようにアンダースコアの前に停留所の番号をつけ、アンダースコアのあとの枝番で標柱を区分するといった方法が分かりやすいでしょう。
  • ダイヤ改正などでGTFSを更新するときでもstop_idは変更しないようにします。また、バス停名の変更があったときでもstop_idは継承することとします。(←GTFSベストプラクティス、GTFS-JP仕様書)
    • (理由)経路検索事業者においては地図データベースにおいてバス停と周辺の施設等を結び付けて管理しており、stop_idを変更するとデータメンテナンスの手間が生じ、新しいダイヤの反映が遅れてしまうおそれがあるため。

stop_code(停留所・標柱番号)【任意】

  • 駅ナンバリングに相当する記号・番号を設定します。駅ナンバリングが無い場合はこの項目は設定しません。

stop_name(停留所・標柱名称)【必須】

  • 停留所名を設定します。
  • バス停に掲示されている名称、HP等に掲載している時刻表に記載されている名称などと一致させることを推奨します。(←GTFSベストプラクティス)
  • 停留所名には副名称を記述しても構いません。
    • 例:八丁堀(福屋前)
  • 乗り場番号(1番のりば、2番のりばなど)は後述のplatform_codeに設定するので、原則、ここには含めません。ただし、現在の経路検索サービスでplatform_codeが適切に表示されない場合があることから、暫定的に乗り場番号を含めてもやむを得ないこととします。GTFSデータ作成ツールの開発等においては、乗り場番号をplatform_codeに出力する機能も開発しておくことを推奨します。
    • 例:×柏駅西口(2番のりば)

stop_desc(停留所・標柱付加情報)【任意】

  • 停留所・標柱に隣接する施設等に関する付加情報を設定します。(←GTFS-JP仕様書)
  • 現時点では、stop_descに記述した内容は、経路検索結果に必ずしも表示されるわけではありません。
  • 現時点では、設定の必要性は低いですが、GTFSデータ作成ツールに開発においては任意の情報を出力できるようにしておくことを推奨します。

stop_lat(緯度)、stop_lon(経度)【必須】

  • 標柱の座標はバスを待つ位置(ポールの位置。ポールからみて道路の反対側からも乗降するときは反対側の位置も。)の座標を設定することを基本とします。
  • ただし、ポールの管理台帳などに記載された座標から座標データを作成する場合はポールの位置だけでも構いません。
  • Google乗換案内のGTFS品質審査例では誤差5m以内としています。(←GTFSベストプラクティスでは4m以内)
  • 標柱の位置を道路や交差点の真ん中にとると不正確な案内になってしまいますので避けてください。
  • 緯度、経度は10進数の度単位で設定します。度分秒単位は不可です。また、緯度と経度を逆に設定しないように注意してください。
    • ○139.5(139.5度) ×1393000(139度30分00秒)
    • 0.00001度は約80cmです。座標は小数点以下5~6桁まで取ってください。

zone_id(運賃エリアID)【条件付必須】

  • この項目は、運賃情報の設定方法によって変わります。詳細は運賃情報の項目を参照してください。運賃情報の項目での説明での推奨方法を採用すると、設定は次のようになります。
    • この標柱を通る路線がすべて均一運賃の場合は、設定不要です。 (理由)均一運賃の場合は運賃を路線単位で指定できる。
    • この標柱を通る路線がすべて均一運賃かゾーン制運賃の場合は運賃ゾーンIDを設定します。
    • それ以外の場合はstop_idと同じものを設定します。

location_type(停留所・標柱区分)【任意】

  • 停留所には”1″を、標柱には”0″を設定します。
  • ただし、現時点(2022年7月)では、Googleの品質審査では、ここを”1″とする停留所は建物を持つバスターミナルに限定されています。(←Google品質審査例)また、親停留所を設定すると、Googleマップ上でバス停アイコンが代表点1つになり標柱ごとにバス停アイコンが表示されなくなるため、停留所のデータは設定しないことを推奨します。
  • ただし、最近、親停留所がなくてもplatform_codeの設定が認められる例も出てきています。
  • なお、現在、建物以外の親停留所を設定する仕様が検討されており、GTFSデータを出力するシステムを開発する際には、location_typeと次項のparent_stationを出力する機能を含めて開発することを推奨します。

parent_station(親停留所情報)【任意】

  • 標柱の親停留所のstop_idを設定します。親停留所を設定していない場合は不要です。
  • 停留所には設定しません。

stop_timezone(タイムゾーン)【不要】

  • stop_timezoneは不要です。
    • (理由) GTFS-JPではagency_timezoneを設定する。

wheelchair_boarding(車椅子情報)【不要】

  • 設定しないことを推奨します。
    • (理由)バスの場合、車椅子の利用可否は停留所・標柱ではなく車両に依存するケースが多いため。(←GTFS-JP仕様書)

platform_code(のりば情報)【任意】

  • 乗り場の番号を設定します。数字・記号のみを記述します。
  • これまで、Google乗換案内のGTFS品質審査では、platform_codeを設定した場合には親停留所の設定も必要とされ、一方、建物がない親停留所(location_type=1)が認められていなかったため、事実上、platform_codeが記述できませんでしたが、最近、親停留所がなくてもplatform_codeの設定が認められる例も出てきています。