経路(ルート)の設定方法

  • いわゆる「路線」として、1つの路線名のもとで認識され、案内されているものをルート(route)の単位としてIDをつけ設定します。
  • ただし、系統番号が異なる、路線色が異なる、運賃が異なる場合には別々のルートとしてIDをつけます。
例1:路線名ごとに設定
  • 基本的には路線名ごとに集約します。(←Googleベストプラクティス)
例2:系統番号ごとに設定(路線名が同じでも系統番号が異なるとき)
  • 系統ごとに案内の単位が異なる(バスに表示する系統番号が異なる)場合は、案内の単位ごとに集約します。
    • (理由):ルートを分けないと異なる系統番号を定義できない。
例3:案内の単位(路線色)ごとに設定(路線色が上り・下り等で異なるとき)
  • 系統ごとに案内の単位が異なる(シンボルカラーが異なる)場合は、案内の単位ごとに集約します。
    • (理由):ルートを分けないと異なる路線色を定義できない。
例4:運賃が異なる系統のルートを分ける(運賃が異なるとき)
  • 深夜バス等、運賃が異なる系統がある場合、運賃が異なる系統はルートを分けます。
    • (理由):ルートを分けないと運賃を定義できない。
  • 例2~例4のようにベストプラクティスに示された方法でない方法でルートを分けて設定したときは、Google乗換案内のGTFS品質審査を開始する際にGoogleに説明しておくとよいでしょう。

jp_pattern_idによる系統の表現

  • バスロケーションシステムなどでルートを個々の停車パターンごとに分ける必要がある場合には、jp_pattern_idで設定します。
  • jp_pattern_idはtrips.txtに記述します
    • 上記の例2の場合の設定例

route_id(経路ID)【必須】

  • ダイヤシステムなどでルートを管理しているIDがあれば、それをそのまま使います。既存のIDがなければ通番で構いません。

agency_id(事業者ID)【必須】

  • agency.txtで記述したagency_idを設定します。
  • 一つのGTFSデータに複数の事業者を含む場合は、当該経路を運行する事業者のagency_idを設定します。

route_short_name(経路略称)【route_long_nameとどちらかは必須】

  • route_short_nameと次のroute_long_nameはどちらか一方は設定する必要があります。
  • 系統数の多いバス事業者などでバスの方向幕、HPやバス停表示で主に系統番号で案内をしている場合には、route_short_nameに系統番号を設定します。
    • 例:学01、1-1
  • 現在(2022年7月)、6文字までという制限があります。記号・符号のみを記述し、路線名などは記載しないようにします。(←GTFSベストプラクティス)

route_long_name(経路名)【route_short_nameとどちらかは必須】

  • 路線名を設定します。系統番号がなく路線名で案内したい場合はroute_long_nameに路線名を設定します。
    • 例:西大寺線
  • コミュニティバスなどの名称を案内する必要があるときはそれも含めて記述します。
    • 例:ふれあいバス・赤ルート
  • route_short_nameとroute_long_nameはどちらか一つは必ず設定する必要がありますが、両方が設定されている場合、Google乗換案内ではroute_short_nameしか検索結果に表示されません。このため系統番号と路線名の両方を表示したい場合には、route_short_nameは空欄とし、route_long_nameに両方を設定します。
    • 例:東01市民病院線

route_desc(経路情報)【任意】

  • ルートに関する情報を設定します。
    • 例:学休日運休(calendar_dates.txtで記述できない場合)
  • 現時点では、route_descに記述した内容は、経路検索結果に必ずしも表示されるわけではありません。

route_type(経路タイプ)【必須】

  • 交通機関の種類(路面電車、鉄道、バス、フェリーなど)をコードで設定します。バスは”3″です。

route_url(経路URL)【任意】

  • ルートに特化した情報を案内をするための特定のURLがある場合にそのURLを設定します。特にない場合は設定しません。

route_color(経路色)【任意=経路色があれば設定する】

  • HPで公開している路線図や時刻表で使用している路線の色を設定します。
  • Google乗換案内のGTFS品質審査では、route_colorを設定するよう指摘されることが多くあります。また、路線図等の色と一致していることが求められます。(←Google品質審査例)

route_text_color(経路文字色)【任意=route_colorを設定しているときは設定する】

  • 路線をroute_colorで表示したとき、その上に路線名を記載するときの色を設定します。route_colorが設定されているときは、この項目も設定します。
  • route_colorが濃い色のときは薄い色(例えば白)、route_colorが薄い色のときは濃い色(例えば黒)を設定します。(←Google品質審査例)
    • (理由):路線と路線名を重ねて表示したときに、色のコントラストがないと見にくい。

jp_parent_route_id(方面・路線ID)【任意】

  • ルートの設定には、路線名、運賃等が異なるものは別々のルートするなどの要件がありますので、これらの要件により分けざるをえなかったルートをまとめて取り扱う必要があるときに設定します。
  • 例えば、GTFSデータを用いてバス停掲示用の時刻表を作成する予定があり、方面や路線をまとめて1枠に収めたい場合などの使用できます。
  • 特に必要がない場合はこの項目は設定不要です。